おう、みんな元気にしてるか?
俺は某企業の人事部長をやりながら、休日はレスポールをかき鳴らしてるロック親父だ。ビートは心臓の鼓動だし、組織もリズムで回ってる。だがな、そのリズムをぶち壊す「ノイズ」がある。今日はその中でも一番シビアで、耳をつんざくディストーション ― そう、「パワーハラスメント」について語らせてくれ。
パワハラって何だ?
まず基本を押さえておこう。厚労省の定義をざっくり言えば、職場における「優越的な立場を利用して、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」を指す。
暴言や暴力はもちろんだが、無視したり、過大な要求を突きつけたり、逆に仕事を与えない「追い出し部屋」なんてのも全部パワハラに含まれる。つまり「俺の方が立場上だぞ」とマウント取って、相手を傷つけたり追い詰めたりする行為全般だ。
ハラスメントの怖いところは、やってる本人が「教育の一環」とか「愛のムチ」とか言い訳して正当化しがちなところ。だがそれ、ロックで言えば「お前のために爆音で寝室にアンプ置いといてやった」って話と同じだ。ありがた迷惑だし、相手の鼓膜を破壊してるだけだ。
SNSで見た生の声
最近はX(旧Twitter)やnoteなんかで、パワハラ体験を匿名で発信する人が増えてる。いくつか印象的だったものを紹介しよう。
新人時代、毎日上司に『お前にはセンスがない』って言われ続けた。辞めた後もその言葉が呪いみたいに残って、転職先でも自信が持てなかった
ミスをしたら机を叩かれて、周囲の前で『社会人失格』と怒鳴られた。帰り道、電車に飛び込みたい衝動に駆られたことがある
逆に仕事を与えられず、一日中PCの前で座ってるだけ。相談しても『お前はもう終わってるから』と笑われた
こういう投稿を読むと、胸が痛くなる。どれも「ただ働きたい」「学びたい」と思ってる人間を、理不尽な力で叩き潰す行為だ。俺は人事部長としても、一人のロック好きとしても、こういう行為は絶対に許せねぇ。だって職場ってのは、みんなで音を重ねるステージだろ? 一人を潰したら全体のサウンドが歪むんだ。
パワハラの種類 ― 6つの歪んだリフ
厚労省はパワハラを6つの典型類型に整理している。まるで歪んだギターリフみたいだ。
- 身体的な攻撃:殴る蹴る、物を投げる。
- 精神的な攻撃:暴言、侮辱、人格否定。
- 人間関係からの切り離し:無視、仲間外れ。
- 過大な要求:到底不可能なノルマを課す。
- 過小な要求:単純作業ばかり与えて成長を妨げる。
- 個の侵害:私生活に過度に干渉する。
これを見て思わないか? どれも「音楽的じゃない」んだよ。人間関係のバランスが崩れて、ハーモニーが成立しない。そんなバンドが成功するわけないだろ?
加害者の言い訳 ― 「俺も昔はそうされた」
SNSを眺めてると、加害者の口癖が透けて見える。
「俺も新人のときは叩かれて育った」
「社会に出たらもっと厳しいんだ」
うるせぇ!と叫びたい。
音楽だって時代で進化するんだぜ? 昔はカセットで録音してたけど、今はDAWでプロ並みの作品が作れる。働き方も同じ。昭和的な「怒鳴って鍛える」なんて手法は、とっくに廃盤にすべきだ。
被害者の心に残るノイズ
パワハラの本当の被害は、その瞬間の傷だけじゃない。
- 自己肯定感の喪失
- 職場への不信感
- 心身の不調(うつ、PTSD)
SNSで「今も元上司の声がフラッシュバックする」という投稿を見て、俺はゾッとした。音楽に例えるなら、一度スピーカーを破壊されたら、修理しても完全には元に戻らない。被害者が次のステージに立つ勇気を奪う行為なんだ。
企業にとってのリスク
「個人の問題じゃないか」と思う奴もいるだろうが、企業にとってもリスクはデカい。
- 優秀な人材の流出
- 裁判・損害賠償リスク
- ブランドイメージの低下
- 職場全体の士気低下
実際、SNSで「この会社はパワハラが横行してる」と告発されて炎上した企業は少なくない。ロックで言えば、ライブ中に機材が爆発してツアーが中止になるようなもんだ。信用を失うのは一瞬だ。
どう止める? ― ノイズキャンセリングの方法
じゃあどうするか。俺なりの処方箋を提示しよう。
- トップのコミットメント
経営層が「パワハラは許さない」と明確に言うこと。これはバンドで言えばリーダーが「音を合わせろ」と叫ぶのと同じ。 - 研修と教育
管理職研修では必須テーマにすべきだ。SNSで「うちの上司はパワハラ研修で居眠りしてた」なんて投稿を見て笑ったが、笑いごとじゃない。 - 相談窓口の整備
匿名でも相談できるルートをつくること。HR部門はバンドでいうベース。目立たないが、リズムを支える重要パートだ。 - 記録の重要性
被害者には、日時・内容をメモするよう勧めたい。証拠はアンプの電源コードみたいなもんで、これがないと音が鳴らない。
俺の実体験
実を言うと、俺も若手時代にやられたことがある。
毎朝「お前の声は聞きたくない」と言われ、会議では無視。バンドで言えば「お前だけアンプの電源切っといた」みたいな仕打ちだ。正直、心が折れかけた。
だが当時の俺はロックで耐えた。「このノイズに飲まれてたまるか」とギターを握りしめ、仕事終わりにスタジオで叫んだ。あの頃の怒りと屈辱が、今の人事部長としての原動力になっている。俺は絶対に「同じことを後輩にしない」と決めたんだ。
SNS世代の反撃
最近の若者は黙ってない。SNSで声を上げるし、外部の相談機関にもすぐアクセスする。これは決して悪いことじゃない。むしろ「組織をよりよくしたい」というサインだ。
ある投稿が印象的だった。
上司に怒鳴られた内容をそのまま録音して、労基署に持ち込んだ。今は別の職場で平和に働いている
この勇気はリスペクトだ。俺は人事部長として、こういう声が上がる前に社内でキャッチしたい。そのためにも「人事は敵じゃなくて味方」だと伝え続ける必要がある。
最後に ― 職場をジャムセッションに
パワハラは、組織の中で生まれる最悪のフィードバックノイズだ。放っておけばスピーカーも、耳も、心も壊れる。だからこそ俺たちは「止める」だけじゃなく、「いい音に調律する」ことが必要だ。
職場はライブ会場だ。上司も部下も、ギターもドラムも、みんなで音を出す仲間だ。誰かを潰すんじゃなく、互いの個性を響かせてこそ、最高のジャムセッションになる。
だから俺は今日も叫ぶ。
「パワハラなんてクソくらえ! 職場をハーモニーの場にしようぜ!」

