コンプライアンスは“魂のチューニング”だ!

コンプライアンス――この言葉、まるでギターのチューニングみたいなもんだ。
どんな名演奏者でも、チューニングが狂えば名曲は台無し。
逆に、チューニングを合わせてこそ、個性が響く。
組織も同じ。
ルールを守るってのは、縛られることじゃない。
全員で気持ちよく鳴らすための、前提条件」なんだ。

目次

昭和の職場:ノイズと熱狂のアンプ時代

昭和の会社なんてのは、いま思えば“真空管アンプ”みたいなもんだった。
熱く、重く、時に爆発する。
でも音に味があった。
上司が怒鳴り散らしても、「それが愛情」なんて言葉で片づけられた。
新入社員は叩かれて育つのが当然で、パワハラなんて概念は影も形もない。
飲みニケーションは“義務ライブ”。
終電を逃すのは自己責任、二日酔い出勤は武勇伝。

けど、その裏には確かに“絆”もあった。
部長が泥酔しながら「お前には期待してんだよ」と泣いてくれた夜。
先輩が自腹で昼メシを奢ってくれた日。
その温度感が、バンドの“人間味”を育ててたんだ。
だが同時に、誰かの犠牲の上に成り立っていたことも、今ならわかる。

昭和の職場では、上司の機嫌が法律であり、
忖度こそが“企業文化”だった。
つまり、アンプのハウリング(ノイズ)を誰も止めなかった。
「それも味だろ」って。
だが、ノイズが多すぎれば、音楽は聴こえなくなる。
それが平成を通り過ぎ、令和になってようやく気づいた真実だ。


令和の職場:デジタルミキサーのような正確さ

令和の今、企業は「透明性」と「説明責任」を求められている。
コンプライアンス研修は毎年更新され、
ハラスメント防止ポスターがオフィスに貼られ、
チャットログや勤怠データはAIがモニタリング。
まるで“オートチューニングされたスタジオ”だ。
音程は完璧、歪みはゼロ。
だけど――少しだけ無機質に感じる瞬間もある。

若手たちはSNSの時代を生き、
「炎上」や「不祥事」の怖さをリアルに知っている。
だから、最初から“間違わない”ように行動する。
それは賢い。実に正しい。
けれど、怖がって音を出さないミュージシャンは、結局ステージに立てない。
完璧さを求めるあまり、挑戦の音が消えていく――
それが、令和の職場に漂う静寂の正体かもしれない。


コンプライアンスとは、“信頼”という音をつなぐこと

俺がロックな人事部長として声を大にして言いたいのは、
コンプライアンスは「管理」でも「制限」でもない。
信頼の音階”を合わせる行為なんだ。

昭和の時代、上司の一言がルールだった。
令和の時代、マニュアルがルールになった。
でも本当のルールってのは、
相手を尊重する」その一音から始まるんだよ。

たとえば、ハラスメント防止。
あれは単に「言葉を選べ」という話じゃない。
相手の耳にどう届くか”を意識すること。
音楽で言えば、相手のキー(音域)を理解するってことだ。
自分がシャウトして気持ちよくても、相手が苦痛ならそれは騒音。
バンド全体で響かせるには、他人の音を聴く耳が必要なんだ。


「グレーゾーン」は、演奏の余白に似ている

よく「コンプライアンスを守れ」と言うが、
現場にはグレーゾーンが山ほどある。
それを全部「白か黒か」で切り分けようとすると、
職場は窒息する。
本来、グレーとは“余白”なんだ。
そこに人間らしさが宿る。

音楽でもそうだろ?
すべての音をメトロノームに合わせたら、
ジャズのスウィングは死んでしまう。
少し前のめりなドラム、
ちょっと遅れるベース、
ギリギリを攻めるギターソロ――
その揺らぎこそが、人間の証なんだ。

コンプライアンスとは、その「余白を壊さないルール」でもある。
不正や暴言を許すわけじゃない。
でも、恐怖や過剰な自己検閲で音が止まるのは、
違うと思うんだ。
企業はもっと“対話”を重ねていい。
守るべきラインを明確にしながら、
人間らしさの揺らぎを許容する。
それが、ロックな組織のあり方だと俺は思う。


「違反」は“破滅”ではなく“再調整”のチャンス

誰かがルールを破ったとき、
昔の会社は「見て見ぬふり」だった。
今の会社は「即処分」。
どちらも極端だ。
本当は、“再調整”こそ大事なんだ。

ギターの弦が切れたら、取り替えればいい。
音が狂ったら、チューニングし直せばいい。
それができる組織は強い。
問題を隠さず、正直に修正できる文化。
それがコンプライアンスの真髄だ。

大切なのは、社員一人ひとりが
俺の音がバンド全体にどう影響するか」を意識すること。
遅刻一つ、ミス一つ、言葉一つが、
会社という“曲”の完成度を左右する。
だから俺は、人事の立場から常にこう言う。
「問題を起こすな」じゃなくて「気づいたらチューニングしよう」と。


未来のコンプライアンス:AIと人間のハーモニー

これからの時代、AIがルール監視を担うようになるだろう。
勤怠管理も、行動ログも、SNSの発信チェックも。
AIは優秀なリズムマシンだ。
でも、リズムマシンだけじゃロックは生まれない。
必要なのは、“人間のゆらぎ”というグルーヴだ。

たとえば、AIが「危険」と判定した発言も、
文脈によってはユーモアや信頼の表現かもしれない。
AIが「非効率」と切り捨てた行動が、
後にイノベーションを生むこともある。
だから俺は、人事としてAIと対話を続けるつもりだ。
ルールを守るためじゃなく、
魂を守るために。


最後に──コンプライアンスは“バンドの誓い”

昭和は「勢いの時代」。
令和は「整合性の時代」。
そのどちらも否定しない。
大事なのは、過去を懐かしむだけでなく、
未来に響く音を鳴らすことだ。

コンプライアンスとは、会社というバンドの“誓い”なんだ。
お互いを信頼し、尊重し、気持ちよく鳴らす。
それができれば、どんなジャンルでも心地よく響く。
俺はこれからも、ステージの袖で社員たちを見守りながら、
こう叫びたい。

ルールを守れ。だけど、魂は燃やせ!

今日もどこかのオフィスで、
新しいロックが鳴り始めている。

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この記事を書いた人

第二次ベビーブーム/団塊ジュニア/就職氷河期一期生

サラリーマン時代の最高年俸は2000万円。
現在は複数の会社役員として活動中。
業績不振企業の再建で半期に2億円の収益改善を達成。給料を下げない「戦略的ジョブホッパー」として転職・出向を重ね独立。

新型コロナ期にオンライン転職相談を実施し、3桁超のカウンセリングを担当。

求職者支援と企業コンサルの双方に対応できることが強み。

経験企業:一部上場企業からベンチャーまで
経験事業:製造、小売、コンサル、医療、金融、広告、システム開発、リサーチ、モバイル、通販、メディア運営、ウェブベンダー
経験職種:営業・開発・マーケティング・コンプライアンス・経理・人事総務・経営企画・取締役

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