「役職」という名のギターをどう鳴らすか

 おう、元気か。ロックな人事部長だ。 
今日はちょっと、職場で一番“重い”けど、一番“誤解されやすい”テーマ――「役職」について語らせてもらう。
肩書ってのはな、ギターのブランドみたいなもんだ。
レスポールなのか、テレキャスなのか。
見た目はカッコいいけど、それだけじゃ音は出ない。
アンプに繋いで、コードを押さえて、ちゃんと鳴らさなきゃ意味がない。

 同じように、“課長”“部長”“係長”“主任”――どんな立派な肩書をぶら下げても、
そこに“職務権限”という電源が通ってなきゃ、ただの飾りだ。


目次

「役職=偉い」ではなく、「役割を果たす立場」

 昭和の職場を思い出してみよう。
 俺が若手だった頃は、「部長が黒と言えば黒」「課長が言ったら絶対」みたいな時代だった。権限というより“序列”が支配していた。
 でも今の令和の職場じゃ、そのノリはもう通用しない。組織はフラット化し、プロジェクト単位でリーダーが変わる。上下関係よりも“機能関係”で動くようになっている。

 つまり、「役職=えらさ」ではなく、「役職=責任の領域」だ。
 たとえば、課長は“課”というチームの成果に責任を持つ。部長は“部”という組織の方向性を決め、経営の意図を現場に伝える。係長や主任は現場の動きを整理し、部下の育成や業務調整を行う。
 それぞれがギター、ベース、ドラムみたいに“異なる役割”を担って、初めてバンド=会社がグルーヴするんだ。


職務権限とは、「責任」と「自由」のバランスだ

 さて、ここで一番誤解されがちな言葉――「職務権限」について話そう。
 これは簡単に言えば、“どこまで自分の判断で動いていいか”という線引きのことだ。

 たとえば、課長は部下の休暇承認を出せる。
 部長は予算を決められる。
 社長は会社の方向性を決める。

 つまり、役職が上がるほど“決められる範囲”が広がる。その分、“責任の範囲”も広がる。

 だが勘違いしてはいけない。
 権限は“自由”じゃない。“責任を果たすためのツール”なんだ。
 たとえば、部長が「権限があるから」と好き勝手に予算を動かしたらどうなる? 現場が混乱し、他部署と摩擦が起きる。
 逆に、権限があるのに“判断を先送り”していたら、部下は動けず、仕事が止まる。

 職務権限ってのは、アクセルとブレーキを同時に踏むような繊細な感覚が必要なんだ。
 つまり、“任された範囲で最大限の責任を取る”。
 これこそが、リーダーシップの基本だ。


昭和の「命令型」から、令和の「巻き込み型」へ

 昔の部長といえば、“机の上で指示を出す人”だった。
 俺もかつてはそうだった。
 電話一本で「やっとけ」と言えば、部下が夜通し動いた。
 でも今は、そんなスタイルじゃ誰もついてこない。
 令和の若手は「なぜそれをやるのか?」を知りたいし、「自分がどう関われるか」にモチベーションを感じる。

 だから、今の役職者に求められるのは“巻き込み力”だ。
 命令ではなく、共感を引き出す力。
 方向性を示しつつ、意見を聴き、共に作る姿勢。

 つまり、ギターソロで全部かっさらうんじゃなく、リズム隊と一緒に“全体の音”を作る感覚だ。
 昭和の上司が「俺についてこい」だったなら、令和の上司は「一緒に登ろう」だ。


「肩書き」よりも「影響力」を持て

 ここで大事なのは、“役職がなくてもリーダーになれる”ということだ。
 令和の組織では、“職務上の役割”と“プロジェクト上のリーダーシップ”が別になっているケースが多い。

 たとえば、若手社員がプロジェクトリーダーを務め、課長や部長がサポート役になることもある。
 つまり、正式な肩書がなくても、影響力を持てる。
 この“非公式リーダーシップ”こそ、現代組織のキモなんだ。

 ただし、ここにも罠がある。
 「肩書きがないから、責任もない」と思うのは大間違い。
 リーダーを引き受けるということは、結果に対して一定の説明責任が発生する。
 正式な職務権限がなくても、“信頼という名の権限”を借りている状態なんだ。
 信頼を裏切ったら、その借りは高くつく。


「権限委譲」という名のバトンリレー

 組織が大きくなればなるほど、権限の“分配”が必要になる。
 全部をトップが決めていたら、スピードが遅くなる。
 だから、現代のマネジメントでは「権限委譲(デリゲーション)」が重視される。

 これは、「任せること=楽をすること」じゃない。
 むしろ、“任せることで部下を育てる”という覚悟の表れだ。
 たとえば、若手に新規プロジェクトを任せる。最初は不安もあるだろうが、失敗しても支える。その経験が次の成長につながる。

 権限を委譲するというのは、ギターソロを譲るようなもんだ。
 ずっと自分が弾いてたら、バンドが育たない。
次の世代に音を託す。それが真のリーダーシップだ。


「名刺の肩書」より、「行動で示す役職」

 俺が若手の頃、初めて「主任」という肩書をもらったとき、正直、浮かれてた。
 名刺に“主任”って入っただけで、急に偉くなった気がしてな。
 でも、すぐに気づいた。
 肩書をもらった瞬間から、部下や後輩の目が変わる。
 「主任なら、ちゃんと判断してよ」「主任なのに、そんなことも知らないの?」――そんな空気が突き刺さる。

 つまり、役職とは“他人の期待を背負う立場”なんだ。
 名刺の印字よりも、行動で信頼を積み重ねなきゃ、役職は“空洞化”する。

 これはどの時代でも変わらない真理だ。
 どんなに組織がフラットになっても、“役割の責任”は残る。
 令和のリーダーは、威張る代わりに“支える”。
 支配する代わりに“導く”。
 そこに本当のカッコよさがある。


最後に:役職は「演奏ポジション」だ

 俺は思う。
 会社ってのは、でっかいステージだ。
 社長はボーカルかもしれない。
 部長はギター、課長はベース、主任はドラム。
 みんなの音が重なって、会社という楽曲が生まれる。

 “役職”ってのは、その中でどのパートを担当するか――それだけの話だ。
 決して偉いとか、下とかじゃない。
 必要なのは、バンド全体の音を良くするために、自分のポジションで最高の音を出すことだ。

 だから、もし君が“昇進”したなら、胸を張ってこう言ってほしい。
 「次の曲では、俺がリードを弾く番だ」と。
 逆に、今はまだ新人だというなら、「ベースでリズムを支えるぜ」と笑えばいい。

 役職とは、“責任”であり“誇り”であり、そして“チームプレイの証”だ。
 それを理解した瞬間、君の仕事は音楽になる。 ――以上、ロックな人事部長の独り言だった。
 今日も、みんなのオフィスがグルーヴしてることを祈ってるぜ。

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この記事を書いた人

第二次ベビーブーム/団塊ジュニア/就職氷河期一期生

サラリーマン時代の最高年俸は2000万円。
現在は複数の会社役員として活動中。
業績不振企業の再建で半期に2億円の収益改善を達成。給料を下げない「戦略的ジョブホッパー」として転職・出向を重ね独立。

新型コロナ期にオンライン転職相談を実施し、3桁超のカウンセリングを担当。

求職者支援と企業コンサルの双方に対応できることが強み。

経験企業:一部上場企業からベンチャーまで
経験事業:製造、小売、コンサル、医療、金融、広告、システム開発、リサーチ、モバイル、通販、メディア運営、ウェブベンダー
経験職種:営業・開発・マーケティング・コンプライアンス・経理・人事総務・経営企画・取締役

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